糖尿病関連情報

糖尿病患者さんの血圧管理について

糖尿病患者さんの血圧はどんな意味があるでしょうか?  

UKPDSという大規模臨床研究が既にその答えを出しています。UKPDS (United Kingdom Prospective Diabetes Study)すなわち 「英国の前向き糖尿病研究」です。
この研究は実に1977年より開始され、その成果が発表されたのが1990年台後半になってからです。 

その中には沢山の研究成果がありましたが、その一つが、「糖尿病患者さんの血圧は、低ければ低いほど糖尿病合併症は出にくい!」というものでした。血糖値が低ければ低いほど合併症が出にくいということは、他の研究でも示されていましたが、血圧についてはこの研究で初めて証明されたわけです。血糖コントロールが同程度であれば、血圧の低いほうが合併症は出にくい!つまり、血糖コントロールの難しい方でも、血圧がコントロールされれば、多少は合併症を出にくくすることができる、と いうことになります。

では、血圧はどの程度に保てばいいのでしょうか?
その答えも、JNC-7という米国の高血圧管理ガイドラインにより示されました。
糖尿病の患者さんや慢性腎疾患を有する方の降圧目標は、通常の方よりシビアに設定され、130/80 mmHg未満がよい、と通達されました。 それまで本邦では130/85 mmHg以下に、と言われていましたので、さらに一段、基準が厳しくなったわけです。
最近では随分いい薬が沢山使えますので、血圧はかなりコントロールすることができます。

しかし、医療者側も、どんどん薬を出したいわけではありません。まず、体重を是正し、減塩、適度な運動、節酒等でこの目標血圧を達成していただきたいというのが本当のところです。

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