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日照不足は不健康の元

今年の夏は雨が多かったですね。広島市の8月の総雨量は今までで最多だった1993年の461.5mmを軽く更新し、696.0mmだったそうです。そのため野菜も日照不足で育ちが悪く、キュウリなんかの夏野菜は価格が急騰しましたね。日照が不足するとヒトの健康にも多大な悪影響を及ぼす可能性がありますので、今からでも今夏の分を取り戻すべくしっかり日に当たっていただきたい。今回は、日の光に当たることで人間の体にどういった良いことがあるか、日照不足だとどんなことが起こりやすいか、ということをお書きしましょう。

ビタミンDは食事から摂取するだけでなく、日光にあたることで皮膚でも作られます。このビタミンはカルシウムの吸収を促進する働きがあり、健康な骨を維持するためには欠かせないものですから、これが不足すると骨粗鬆症になりやすい。つまり日光に当たることでビタミンDを自分の皮膚で合成することができ、それが骨粗鬆症に予防的に働く。特にやせている方や平生が運動不足の方では骨密度が低下しやすいため、日光に当たりながらウォーキングを行うことが骨を強くするのに非常に有用でしょう。血中のビタミンD濃度は筋力低下や転倒と関連があるともいわれ、今から陽光の下で歩く習慣をつけておくことが、老後に、何もないところで躓いてこけたり、それで骨を折ったりっていうことを予防することにつながります。

一方、太陽の光を浴びることでセロトニンという「幸せのホルモン」が分泌されます。セロトニンは15分以上のウォーキングや感動して涙を流したりしても分泌は増えるようです。どうしてセロトニンが幸せのホルモンかというと、このホルモンには不安感や抑うつ感情に対抗して心の安定化を図る働きがあるからです。読売新聞に「脳を鍛える歩き方M」という記事がありました。そこでは、セロトニンについて「爽快感を生み出し、不安感を消してくれる」と記してありました。ということは、セロトニンの不足する生活は攻撃的だったり、抑うつ的だったりしがちで、快適な生活からはほど遠い、ということになります。

日中にセロトニンがしっかり分泌されると、これが材料となって夜には「睡眠ホルモン」であるメラトニンに変わり、眠りをサポートしてくれます。セロトニンとメラトニンは図(8月23日付け読売新聞より許可なく転載)のような関係にあり、朝日を浴びて規則正しく生活することで、夜間のメラトニンがしっかり分泌され、体内時計が調節されます。逆に不規則な生活や太陽光を浴びないような生活はメラトニンが不足し、不眠症の原因になりかねません。

今から秋分の日を迎えます。お彼岸を過ぎると「秋の日はつるべ落とし」で、どんどん日が短くなっていきます。夏の日照不足を取り戻すためにも、骨を鍛えるためにも、また、気分の落ち込みを予防するためにも、積極的に屋外でウォーキング、というのはいかがでしょう。少しでも日光を浴びる、軽い運動をする、映画を見て感動の涙を流す、などをして心の健康も気遣ってみてください。そうしたことが、夜の快適な深い眠りに導いてくれる、というわけです。

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