糖尿病関連情報

夏の飲み物に注意

糖尿病患者さんの血糖コントロールは、通常は冬場より夏場の方がよくなります。
冬場にHbA1cが上昇するのは家の中に閉じこもりがちになり運動量が減ること、クリスマスや正月、バレンタインデーといった行事も関係しているかもしれません。
春になって暖かくなってくると、ヒトも昆虫と同じように穴から這い出て活動を始めます。
それがインスリンの効きをよくしてくれてHbA1cが低下してきます。
夏場になるとしっかり汗をかくことでさらにインスリンの効きが良くなることが期待されます。

でも時々逆に夏に血糖が高くなる方がおられます。
原因のひとつとして挙げられるのが夏の飲み物です。
夏は冷たい飲み物のCMが増えますね。
毎年、「ポカリ飲まなきゃ」などのフレーズが耳タコ状態になると、熱中症予防にはやっぱりポカリスエットがいいのかな、なんて刷り込まれたりします。

でもちょっと待ってください。
夏に汗をかくからといって、喪失するのは水分とミネラルです。
決して糖分を失うわけではありません。
ポカリに代表される清涼飲料水を飲めば、余分な糖分を摂取することで血糖値を急激に上昇させてしまいます。
今回は、代表的な飲み物にどれくらいの糖分が含まれているかを、角砂糖換算で検証していきましょう。

ちなみに一個の角砂糖には約4gの砂糖が含まれていますが、ここでぜひ知っておいて頂きたいのが、ヒトの血液中には全部合わせて角砂糖一個分の糖分しか含まれていない、ということです。
(血液量は体重の13分の1ですから、体重65kgの人の血液量は5L、空腹時血糖値が80mg/dlだったら1Lあたり800mgの糖分ですから、血液量が5Lとすると800mg×5Lで4,000mgすなわち4g、ヒトの血液中には角砂糖1個分の糖しか含まれていない、というわけです)

ポカリスエットにはコップ一杯で角砂糖3.1個、
500mlのペットボトルなら7.8個分入っています。

コカ・コーラはコップ一杯が5.7個分もの角砂糖入り。
500mlのペットボトルだったら14.3個という大量の角砂糖が入っていることになります。

ヤクルト1本はたったの65mlですが、その中には11.5g、なんとほぼ3個の角砂糖が入っている。



カロリーハーフのものでも1.4個分の角砂糖が入っている。乳酸菌は本来酸っぱいものですね。それを大量の糖分の甘さで誤魔化そうとしているわけです。
体によかれ、とヤクルトを毎日飲んでいてHbA1cが1.5%も上昇したケースも報告されています。

メーカーが商品に「この飲み物は糖尿病患者さんの血糖値を上昇させます」とでも記載しておいてくれればよいのですが、こうした負の側面は決しておおっぴらにしません。
ですから、我々消費者が賢くなる必要があります。

実は「この飲み物は血糖値を上昇させません」ということは書いてあるようなものです。
それが「カロリーゼロ」という表示です。血糖値を急激に上昇させないためには、成分表をチェックし、「カロリーゼロ」を確認する習慣をつけましょう。

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