春風を感じながら外に出てみませんか?

「球春」という言葉通りに、プロ野球オープン戦がたけなわです。
そろそろ順位予想なども出てきて、さらに賑やかになるのでしょう。
今年はカープに黒田、新井両選手が戻ってきてくれて選手のモチベーションも上がっているでしょうから、カープも優勝候補の一角といってよいでしょう。
というわけで、春になれば野球の虫も穴を這い出てくるように、いままで冬籠りしていた皆さんもそろそろ運動をしに外に出ましょうか。
ちょっと強引な前振りですかね。ともあれ、今回は糖尿病の運動療法について書いてみます。

まずは運動療法にどんな効果があるか。
1、血糖値を下げる 2、血圧を下げる 3、脂質を改善する 4、そういった作用があいまって、動脈硬化を抑制する。さらには、5、骨を強くする 6、認知症を予防する。7、癌を抑制する。8、便通を良くする。9、全身の血行を良くし、肩こりや腰痛などを改善してくれる。10、筋力をつけることで、転倒しにくくしてくれる。11、心臓や肺の機能を増強する。その他に運動の間接的な効果として、12、ストレスの解消、13、運動を続けることで自信がわいてくる。14、規則的な生活への橋渡し的な効果がある。
結局のところ、そういった多彩な効果により、運動をすればするほど健康寿命が延びる、つまりはこれこそがアンチエイジングの一番の妙薬ということになります。どうです?ものすごく多彩な働きが運動にあるということがお分かりいただけましたか?
では、どういった運動が良いでしょう?
一般的には有酸素運動がいいって言われますよね。
有酸素運動とは、酸素を十分に取り入れて行う全身運動で、ウォーキング、ジョギング、水泳なんかがその代表です。
どのような運動を選択するかは、その人が今までやってきた運動の歴史や、得意分野などがあるでしょうから、人それぞれではありますが、「継続できる」という点からいうと、一人でできるもの、いつでもできるもの、どこでもできるもの、そして自分で運動強度を加減できるものがベターとされています。
これらの条件を満たす最も一般的なものがウォーキングではないでしょうか?
次にどれくらいの強度で運動したらよいか?
尺度は主に二つ。一つは自覚症状、もうひとつが脈拍です。
自覚的には「にこにこペース」が良いと言われます。
「きつい」と感じるのはやはり強すぎる運動ですので、ペースを落としましょう。
また、脈拍は若い人で120くらい、高齢者では100前後となるくらいが目安となります。実際に脈拍を測る練習をしてみましょう。
左手首の掌側で親指の付け根に右手をあてます。
そうするとどれかの指で脈拍を触知できるでしょう。
15秒数えてそれが25(〜30)回前後となれば十分な強度といえます。
もちろん、安心して運動していただくためにも、事前に運動負荷心電図でチェックしておいていただくことが望ましい。

最後にどれくらい運動すれば効果が上がるのか。
以前は脂肪を燃焼させるには15-20分は継続して運動をしよう、と言っていましたが、そんなにまとまった時間が取れない方は、こま切れでも構いません。
トータルで週に200分は行いたい。
また、インスリン抵抗性改善作用は3日と持たない、と言われますので、できるだけ毎日、少なくとも一日おきには行いたい。
運動の時間帯についていえば、理想的には最も血糖値の上がりやすい食後1〜2時間が最適です。インスリン注射をしている人や、血糖降下薬を飲んでいる人の場合の食前の運動は、低血糖の危険があり、注意が必要です。
通勤や買い物の際にウォーキングを組み込んだり、1日の歩数をカレンダーに書き込んだり、仲間と一緒に行ったりすることなどが、運動療法継続のコツといわれます。三日坊主の繰り返しでもかまいませんので、まずは、春風を感じながら外に出てみませんか?


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