糖尿病予防の第一歩は食事から
RCCラジオで「糖尿病予防キャンペーン」というのが4週間にわたって行われました。
『バリシャキ・ナウ』という番組の中での「知ってて安心 糖尿病の基礎知識」というコーナーです。
その第3回「糖尿病予防の第一歩は食事から」というテーマに出演させて頂いた際、
番組パーソナリティーである藤田 弘之さんとの対談の一部を抜粋して掲載致します。
藤田;糖尿病は甘い物を控えていれば予防できるのでしょうか?
片岡;甘いものを控えているだけでは、糖尿病は予防できません。
脂っぽいものの食べ過ぎや、朝食を抜いていたり、食事時間が不規則であること
も糖尿病の原因になりますので、食生活全体の改善が大切です。
また、食事だけではなく、適度な運動がとても大切になります。<略>
糖尿病の食事療法は、正しい食習慣とともに、過食を避け、偏食せずに規則正
しい食事をすることにつきます。つまり、糖尿病食は特別な食事ではなく、バラン
スのよい健康食といわれています。<略>
どの食べ物がよい、悪いということよりも、一日3食規則正しいバランスのよい食
事をとり、それを長く続けるということが重要です。
ただし、合併症がある方は、食事療法の内容が変わってくる場合がありますので
必ず医師の指示に従ってください。<略>
まず、甘いものや脂っぽいものを控え、野菜中心を心がけて下さい。<略>
その他の工夫としては、お茶碗は小ぶりのものにするとか、濃い味のおかずは、
ごはんをたくさん食べてしまいがちですので、素材の味をいかした薄味料理にす
るとよいと思います。<略>
それから、食べる順番もいきなり主食から食べるのではなく、野菜や海藻を先に
食べる方が良いんです。<略>
実は、野菜などに多く含まれる食物繊維の作用によって、後から食べる主食の
糖質がゆっくりと吸収されます。ですから、食べ方によって血糖値の動きは大き
く変わってきますので、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
(⇒野菜スティックの効用について少し話しました。)
藤田;お好み焼きはヘルシーなイメージと脂っぽいイメージがありますが、どうですか?片岡;脂っぽいイメージなのは、お肉として豚バラ肉を用いていることが大きいと思いま
す。実は、豚バラ肉は糖尿病の食品交換表では、脂質を多く含む食品に分類され
ています。トッピングをイカや貝柱などで代用したり、マヨネーズを使いすぎない、
といった工夫はどうでしょうか。
藤田;特に高齢者の方が気を付けたいポイントはなんですか?
片岡;高齢者の場合、「これまでの濃い味付けや塩分が高めの食生活の習慣がなかな
か変えられない」、「残すのがもったいないからと出された食事を無理に食べてし
まう」、「自分で食事を作れない」といったケースが多いと思うんですね。
ご家族や医師と相談しながら糖尿病対策を進めましょう。
藤田;大事なポイントのまとめと、先生からのアドバイスをお願いします。
片岡;食事療法がうまくいっているかどうかは、結果的に適正体重に向かっているかどう
か、ということが教えてくれます。ですから、面倒な様でも毎朝・毎晩自宅で体重測
定を行い、自分の食事療法を検証するということが重要です。
わたしはそんなに食べていないのに太る、と思っていらっしゃる方は、実際に口に
入ったものを数日分すべて書き出してみる、というのもひとつの手ですね。
ご自分の食生活の問題点が浮き彫りになってくるかもしれません。
最後になりましたが、この度、このような機会を与えてくださいました関係者の皆様に深く感謝申し上げます。 ありがとうございました。