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冬という季節を上手に乗り切りましょう

今年の夏は暑かったですね。で、やっと秋になったと思ったら、その秋は非常に短くてあっという間に冬になってしまいました。すでに初雪も降って、北部の方は車のタイヤ交換も早目にされたことでしょう。でも本格的な冬は、冬至を迎える今からです。
 僕は冬という季節があまり好きではありません。寒さが嫌いっていうのもありますが、乾燥がいやですね。ドアノブを持つと静電気でビリっとくる。それから、乾燥のために皮膚が痒くなって、背中やふくらはぎに引っ掻き傷ができる。
 しかし、本当に憂鬱なのは、気温と湿度ばかりでなく、この季節に糖尿病患者さんのHbA1cが上昇しやすい、という点です。
これは僕だけでなく、おおかたの糖尿病医療に携わる者が感じていることでしょう。
この季節、夏と違って汗もかかないし、基礎代謝が低下しやすい。さらに忘年会・クリスマス・お正月・新年会、つい飲み食いが増えてしまいがちな行事が目白押しですね。
知らない間に体重が増えていて、クリニックでの血液検査では血糖値が高くなっていた、っていう方がよくあります。体重増加なく、HbA1cを上昇させず、この季節を上手に乗り切っていただくために、以下のようなヒントを挙げてみました。

・まず、基本は体重測定。
 少なくとも朝・夕1日2回は測る。体重計の数字にしょっちゅう接していると、おのずと自分の生活の中でどういう点に気をつけたらよいか、ということに気付かれるだろうと思います。久しぶりに体重計に乗ったら、一気に体重が増えていた、ってことのないようにしましょう。
・基礎代謝をあげる。
 12月9日に放映された、日曜早朝の「ゲンキの時間」でも言っていました。特に姿勢の悪い人は基礎代謝が落ちやすい。平生から、姿勢が猫背だったり、すぐソファーにもたれたりしがちの人、ずいぶん損をしています。胸を張って、頭をしっかりと体の重心の真上にもっていきましょう。そうすることで基礎代謝が上がるだけでなく、背骨の周囲の筋肉を鍛えることにもなるため、肩こりや背部痛・腰痛などの軽減〜予防にもつながります。(思うに、昔の人に比べて日本人の姿勢が悪くなったことも肥満傾向の方の増加につながっているのではないでしょうか。)
・運動のレパートリーを増やす。
 冬の早朝が寒くても、日中はそれほどでもない日があります。(寒いのはまだ重ね着をすれば何とかなる。帽子・マフラー・手袋、最近では発熱する下着―ヒートテック―などというものもあります) そんな日はきちんと防寒して外へ出るほうが運動になります。
でも、外が吹雪いている時まで歩きに出るわけにはいかない。外に出られないときは、何か家でできる運動のレパートリーを持っておきましょう。
たとえば、ラジオ体操やスクワット、椅子に座っての脚の上げ下ろし。最近僕は近くの100円ショップでプラスチックのダンベルを買ってきました。水を入れると1kgの重量になります。TVを見ながら無意識下でこういったものを行うのはいかがでしょう。
・減量、あるいは体重維持の目標を持つ。
 僕自身、体重が70kgを超えないことを目標にしています。この時期、宴会やら会合やらで、つい翌朝の体重がそのリミットを超えてしまっていることがある。そんな時は、すぐに食事量を減らします。また、ビールをノンカロリーに変更します。そうして70kg以下に戻れば、また普通の食生活としています。

 僕の父親は肥満気味の人でした。体質的に僕も油断するとすぐ太ってしまいがちです。他にもよい工夫があれば、ぜひ診察室で教えてください。

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