糖尿病関連情報

キャベツダイエットについて (2007.9.15)

京都市立病院内分泌代謝内科部長である吉田俊秀先生は本邦の肥満研究の第一人者です。先頃まで京都府立医大において研究・臨床に携わっておられ、時々広島に来られ熱っぽい口調で肥満治療について講演しておられました。広島内分泌代謝研究会は僕が世話人をさせていただいている勉強会ですが、本年のその研究会に吉田先生をお招きしました。6月21日のことです。いつものごとく吉田先生は、関西人らしく巧みな話術で聴衆をひきつけながら講演をされました。この紙面でその吉田先生が提唱しておられる「キャベツダイエット」のエッセンスをご紹介しましょう。
  「キャベツダイエット」はテレビ、雑誌でも頻回に紹介されており、多くの方が耳にしておられるのではないでしょうか。数あるダイエットの中でも成功率の最も高い方法のひとつだと思います。一時的にやせるだけなら多くのものがあるでしょう。しかし、一旦やせてもなかなかダイエットが長続きしない、またリバウンドがあったりします。吉田先生は肥満治療の成功率を体重減少できた状態が少なくとも3ヶ月以上持続しているもの、と定義しておられます。その定義で「キャベツダイエット」の成功率はなんと「70%」これはもう驚異的な数字です。
 吉田先生のお話によると先生の肥満治療が最初からこれだけ有効だったわけではなかったようです。試行錯誤の末に辿り着かれたのが『キャベツ1/6ヶを食前に10分かけて食べる』という方法。実際にこのダイエット法を行ってみられた方はおわかりと思いますが生キャベツは非常に歯ごたえがよく、一口で何十回と咀嚼が可能です。実は食べるキャベツの量よりも「咀嚼」の回数が重要なのだと思います。体型が太目の方は早食いの場合が多く通常の食べ方だとあっという間に食べてしまう。しかし、それでは意味がないのです。「10分かけて食べる」ことに意味があるのです。長く咀嚼していると顎が次第に疲れてくる。そうなると満腹中枢に少しずつ刺激が伝わっていくわけです。そこでおもむろに食事をする。ただし、いつもと同じ量食べたらダイエットになりません。先生のオリジナルの方法では一日で摂る食事内容として以下のものが推奨されています。

1、タンパク質は1日70g:その目安が卵1個・魚80g・豆腐半丁・肉80g・牛乳200ml
  2、主食:食事で茶わん2/3膳×3回  
  3、果物:こぶし大のもの2個

このダイエットは第一に、薬のように副作用が発生せず安全です。(中国産キャベツはどうかわかりませんが)それに、コストがあまりかからない。(キャベツ代がかかる?いえ、1/6ヶのキャベツで食事を減量できるのですから。加えて医療費は確実に低下します。)さらに便通に良い。何といっても線維が豊富です。そして、線維は食後血糖の上昇を抑制し、コレステロールの元となる胆汁酸を吸着して便中に排出してくれます。また、カリウムを多く摂取することでナトリウム(塩分)の排泄を促し血圧降下作用が期待できます。 夕食前だけでもある程度効果があります。まず3ヶ月を目途にトライしてみてください。

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